1966/アメリカ
監督:ウィリアム・ワイラー
ニコル:オードリー・ヘプバーン
デルモット:ピーター・オトゥール
原作はジョージ・ブラッドショウ。
邦題通り、スタイリッシュでコミカルな作品。予告を見た時、なぜかヘプバーンの傑作「シャレード」を思い出した。
それもそのはずで、撮影監督はチャールズ・ラング、「パリで一緒に」「麗しのサブリナ」などで、ヘプバーンの魅力を引き出す。もちろん「シャレード」でも撮影監督を務めている。
ヘプバーンには、やはりパリが似合う。第二次大戦中の、ヘプパーンのエピソードが、さらにその感を強くするのかもしれないが……。
競演のピーター・オトゥール、作品の中で「青い目で、長身で、ハンサム」と形容されるが、う〜ん、どこが? と感じるのは私だけ? スタイリッシュで、コミカルな映画ということで、デルモット役がマイケル・ケインだったら……と、ふと思ってしまった。作品自体が、良い意味でもっと浮き足立った感じになり、よりコメディーとして良い作品になったような気がする。わたくしの独断ですが。
ヘプバーン作品の中でも、飛び抜けて素晴らしいとは感じなかった。ヘプバーンの魅力を引き出すという意味でも、今一の感は否めない。確かにヘプバーンの足の美しさには、目が釘付けになったが……。
美術館長代理(保険業者)
「科学鑑定には立ち会われます?」
このシーンは面白い! エンディングにしっかり効いてくる所などは、思わず唸ってしまう。
美術館の警備主任が電話を切った後、ラ・マルセイエーズが流れたり、美術館の中の騒動を影絵を使って表現するなど、コミカルな演出が随所に光っている。
「パリで一緒に」を観た時に強く感じたのだが、ヘプバーンのコミカルな演技は抜群である。この映画でもコメディ・アクトレスとしての彼女の魅力を、存分に発揮してくれる。
物置のカギのトリックは秀逸、事前調査の時に型を取って合鍵を作っておくという方法もあるが、あえてトリッキーに見せるところ、またその後の展開が……、観客を楽しませようという脚本作りが好感が持てる。あえて派手ではなく、地味なトリックが逆にこの映画によく合っている。
ハリウッドらしいハッピーエンドであるが、現在のハリウッドに定番の不必要なまでの家族の愛や、必ず登場する不自然な黒人配役などもなく、すっきりしたエンディング。
Nozomiの評価は★★★☆☆(三ツ星)佳作と呼んで良いでしょう。
純粋に面白い映画として楽しめました。
ヘプパーンの作品に、ハズレはないのか?