『一人の夜に』


 あなたのことを想うと
 悲しくて切なくて
 それは僕の中で揺れ
 焼き 張り裂き 焦がす

 涙をこらえるのでやっと

 瞳はいつもあなたを追いかけ
 僕のほうへ振り向いてと願う
 それでもあなたは僕へ目もくれず
 傍らを通り過ぎてゆく

 振り向いて僕を見つめて
 ただ僕がここにいることを知って欲しい

 あなたの頬に触れたい
 髪を撫でたい 抱きしめたい
 側にいたい 側にいてほしい

 見つめて欲しい 僕のことを
 微笑んで欲しい 僕だけのために

 あなたに向ける僕の想いは
 伝わることなく通り過ぎ
 あなたは僕のことを
 決して見てはくれない

 少しだけでいい……

 あなたの側にいたいと願い

 あなたに側にいて欲しいと想う

 その流れる黒い髪は漆黒の夜を想わせ
 その瞳は星明かりのように瞬き
 その笑顔は月光の優しき輝き

 それは僕の中で揺れ 暖かい
    僕の身を焼き
    僕の胸を張り裂き
    僕の心を焦がす

 涙を流し大声で泣きたい……

 僕にはもうどうすることもできず

 ただ一人の夜にあなたを想う


  29,October 1994

 条希 作品アーカイブ
(Jo’s Avenue Main Street)

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 『創作詩』

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