親子三人(疾風怒涛編)


今回は昨日のエントリ
親子三人(ほのぼの編)』から始まる
三回シリーズの
第二回になりそうです(笑)


娘と元嫁の引越しに
応援で駆けつけた希

土砂降りの雨が
終わりの始まりを
告げようとする頃

新たな引越し戦の幕が
切って落とされようとしていた

元嫁と暮らしている(元)義母が
普段より遅く勤務先から帰宅した
列車が大雨の影響で
大幅に遅れたためだ

我々にはこの引越し戦で
最後のミッションが残されていた

『旧住居掃討作戦』である

本日をもって旧住居に対し
最終的な決着をつけねばならない


疲れ果て帰宅した義母に愛娘を預け
希と元嫁はタオルとドリンク
そしてタバコを手に
決戦の場へと旅立った

頼むは自らの気力のみである

残されている敵は少ない
早くて一時間で決める!
そう心に期す二人ではあったが
その読みは余りにも
楽天的でありすぎた…


水周りの掃除
(孤独との戦い)

取り外していたキッチンの棚の復元
(ドライバー片手の腕力勝負)

解放していた襖の天袋からの復旧
(体力勝負のパズルゲーム)

多収納スペースからの残留物の回収
(瞬間的取捨選択決定権行使)

窓及びベランダの清掃
(照明機具撤去後の夜間作業)

それらの後に戦後処理を行い
新居への搬送物及びゴミ出しという
撤収作業を行なわなければならない

ゴミだけでも袋六つ分…
運搬用の車は満載であった…

読みが甘かったと言わざるを得まい…


三時間を超える凄惨な戦いの後
ガクガク笑う膝と震える腕
汗だくの身体に虚無感をたたえ
疲れ果てた希と元嫁

キッチンの蛍光灯の明かりの中
タバコを片手に二人
ベランダから屋外を望む
私達の愛娘を
六年間もの間育んで来てくれた
マイ・スイートホーム
この夜景も見納めだ…
20041108
2004年11月撮影(クリックで拡大)

「辛いことばかりだったけど
あの娘が一番可愛かった頃の
思い出がたくさん…」

「本当に辛い想いばかりさせたね…」

「でも人生の最後に
 過去を振り返ってみた時
 一番幸せだったと思い出すのは
 ここでの思い出かもしれないわ」

「たぶん一番苦しかった時が
 一番幸せだった日になるんだね」


さぁ!
撤収作業が始まる!

つづく……

次回…最終回『親子三人(サシ呑み編)

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